新入社員あてにかかってくる私用電話で多いのは、親戚や学生時代の友人からのものである。
「○○くん、会社の仕事、どう?慣れた?さっきお宅に電話したらお母さんが会社の電話番号を教えてくれたんでかけてみたんだけど……」
このように、親戚から電話がはいったような場合は、相手のほうが非常識とはいえ、善意でかけてきたものはなかなか冷たく突き放しにくいものだ。
かといって、同僚や上司の顔を気にしながら、「すみません。いま勤務中なものですから、また別の機会に」などと答えようものなら、「なにをカタいこといってるのよ、あなたらしくないじゃないの」などと、応答に困るやりとりになってしまう。
このようなことがないように、あらかじめ家の者や親戚などには、緊急なとき以外には会社に電話をしてこないよう、はっきり言っておくべきだろう。
そのとき、「うちの会社は公私の区別にきびしいから」とひと言つけ加えておけば、親や親戚も、きっとわかってくれるはずである
会社の備品は、電話だけではない。
そのほかの備品も、私用に使わない配慮が必要である。
たとえば、電話以外の新聞、定期刊行物、資料、文具、器物などの備品も、自分が使っているからといって、机の上に置きっぱなしにしないことだ。
使ったあとには、そのつどきちんと元の場所に戻しておくことである。
でないと、次に使いたい人が使えなくなってしまうだろう。
また、会社の車が休日にあいているからといって、「ガソリンは自分で入れるし、月曜の朝にははやく出社してくるから……」と、無断借用して週末のデートに使ったりするのも絶対にしてはいけないことだ。
会社のものを自分のものとカン違いしないよう、くれぐれも注意をしたい。
エチケット講師:前野岳洋